ロシアがウクライナに侵攻した日

ウクライナ

2022年2月24日

朝起きてツイッターを見ると、
ロシアがウクライナに侵攻を始めたと報道。

緊張状態は続いても、
実際に侵攻はしないだろう
と言われていたにも関わらず、
想定よりはるかに早くロシアが行動を起こしました。

私の住むポーランドはウクライナの隣国です。
ポーランドの首都ワルシャワから、
ウクライナの首都キエフまでは
直線距離にして約750km。

東京からは広島、
大阪からだと山形くらいまでの距離。

すごく、近い。

こんな近くで戦争が起こっている。
陸続きの場所で爆撃があり、
多くの死傷者が出ていて、
多くの人が自分の慣れ親しんだ街から
離れて避難を余儀なくされている…。

報道のカメラにうつる人々は、
普段、私が日常生活を送っている街の人たちに
雰囲気がよく似ていて、
破壊されている街並みもどことなく似ています。

ポーランドでは多くのウクライナからの
避難民を受け入れています。
避難する人々を捉えた報道カメラ。
彼らと一緒に映っていたのは
私がよく旅行で使う会社のバスでした。

ウクライナのゼレンスキー大統領が国民に向けたビデオも見ました。
彼が話している言葉は、
普段聞いているポーランド語と
挨拶が同じ(「こんばんは」)だったりします。

そんな人々が急に日常を奪われて、
故郷を追われている。

とても人ごとには思えなくて、報道を見るたび胸が痛いです。

***

戦争が私が住む場所にも来るかもしれない、
という恐怖も大きいです。

ポーランドはNATO(北大西洋条約機構)の一員で、
NATOの国々にはロシアは手出ししないだろうとの見立てがあります。

でもポーランドは紛れもなく
ウクライナと同じ東欧の国で、かつてのソ連の衛星国。

ポーランドに飛び火するかもしれない。
西側諸国が最前線として利用するかもしれない。
何か国際関係のバランスが変わったら。
ロシアが何か血迷って予想外の行動をとったら。

結果的に戦争が別の国に波及するかもしれない。

国際関係に関する私の知識不足からくる不安かもしれませんが、
そんなことを想像してしまい、ずっと緊張しています。

絶対に大丈夫、は存在しないと思うのです。
人はいつだって有事に「想定外だった」といいます。

でも今、私にできることは何もなく、
事態が一刻も早く治まるのを見ていることしかできません。

実際には、ポーランドの街は平和です。

私にも今週末には前から楽しみにしているバレエ鑑賞の予定があるし
日常生活を変わりなく送っています。

フラットのシェアメイトや周りの人たちもあまり心配していない様子です。
陸続きのヨーロッパにずっといると、感覚が違うのかな…。

そのギャップがすごく変な感覚です。
心では悲しくてどこかで怯えているのに、日常生活はいつも通り。

今ある平和を楽しく過ごすことも大切なことだと思うので、
情報を集め警戒をしながらも、日常はしっかりと大切に
楽しみながら過ごしていきたいと思います。

**

今回のことで感じているのは、
誰かに降りかかった災難を自分ごとにするのはとても難しいということ。
そして、いざ国家間の争いが始まると
一個人にできることは本当に小さなことなのだということです。

8年前にもウクライナでは戦争が起こっていました。
当時、大学生だった私には、
ちょうど日本に留学中のウクライナ人の友人ができたばかりでした。

彼女の故郷で戦争が起こっていると知り、心配はしたものの、
戦争は日本から遠く離れた国でのこと。
彼女から大丈夫だという連絡があり、それだけで安心して、
いつのまにかその戦争のことは忘れていました。

どこか他人事だったんだと思います。
遠い国で起こっていることだから、私は安全だから、関係ない、と。

同じウクライナで戦争が起こっていても
自分がいる場所によってこんなにも感じ方が違うのかと驚いています。

そして、有事を自分ごとに考えることは
自分の身に降りかからないと本当の意味ではわからないのかもしれない、
というのも実感しています。

(もちろん立場が違っても寄り添うことはできるし、
住む場所に関わらず戦争の危機を強く実感できる方もいらっしゃると思います。
これは過去の私が、あんまりできていなかったという話です。)

***

日本始め各国から心配のメッセージをいただいています。
私は無事ですし、ポーランドのワルシャワは大きな混乱もなく、
いつも通りの日常です。大丈夫です。

隣国であることは事実で、心配してくれる友人もいます。
もしもの時は西に逃げてきて。うちに泊まっていいよ、と
声をかけてくれた西欧の方もいます。

遠く離れた国にいて、普段なかなか連絡が取れていないにも関わらず
こんな時に気にかけて連絡をくれることが本当にありがたいです。

いざという時には、きちんと逃げられるように
今から考えられることは考え、準備できるものは準備しておこうと思います。