03.「あっ、ポーランドが私を呼んでる」-不思議な縁を感じた話

◎この記事は、2020年11月15日に、noteにて公開した記事と同じ内容です。

ポーランドに居住するとなれば、ひとつ障壁になるのがアパートの契約です。外国人として契約することになりますし、さらに、今はコロナがひどく、なかなか内覧も難しい状況です。そして、大家さんとなる方々の中には、英語が話せない方もいるため、ポーランド語ができないと契約が難しいアパートも多いといいます。

日本でいろいろと情報を調べる間に、耳にしたのは、今のポーランドでは、コロナウイルスの影響で、家賃を踏み倒してしまう方があとを立たない状況になっているということ。

その影響で、これから新規で賃貸契約するのには、保証人を立てて、契約時に立会い人として来てもらうことが必要になる、少し大変だ、という話です。

当初、入国後、最初の2週間はAirbnbで滞在先を抑え、その間に、家探しをしようと考えており、ワルシャワの中心地の単身用のお部屋に予約を入れていました。

しかし、結論としては、日本から住居を決めて渡航することができ、滞在2日目からワルシャワの中心地から少し外れた閑静な街の、とあるアパートにいます。

それは、ある出会いのおかげです。今日は、そのお話をします。

何気ない食事のあとで

ポーランド渡航を決めてから、私の周りの環境は大きく変化しはじめました。
私には、ポーランドに全く縁もゆかりもなかったのですが、友人が友人を呼び、ツテを辿るとどんどん世界が広がります。

意外と身近なところにポーランドとの縁はあって、ポーランド行きを発信すればするほど、思わぬところからご縁をいただくことが多いです。

ポーランド行きが決まった後、ビザが取れ次第すぐの渡航を予定していたので、あまり時間がありませんでした。

私は、すでにシフトが入ってしまっているアルバイトの合間をぬって、友人や身近な方々にポーランド行きを伝え、ご飯を食べたり、お茶をしたり。
しばらく会えないことを惜しむように、たくさんの人たちと少しずつ一緒に時間を過ごす毎日を過ごしていました。

そんな中、とあるコミュニティ仲間の女性と会う機会がありました。彼女と会うのは半年ぶりで、ゆっくり2人でご飯に行くのは初めてです。そんな彼女と話をしていて、もうそろそろ食事を終えようとしていた時に、彼女が思い出したように言いました。

「あっ。もしかするとポーランドにつてがあるかもしれない。私の知り合いの知り合いになるから、ちょっと遠いけど、ポーランドに住んでいる方を紹介できるかも」

彼女と一緒にご飯に行くのはこれが初めて。ゆっくりお互いのことを話したのも、初めて。そんな中、知り合いの方をご紹介いただけるのは、とてもありがたいことです。

実際にワルシャワに行った後で、気軽に会いに行ける友達ができれば嬉しいな、と考えていました。

はじめてのポーランドの友人

その後、彼女の知り合いの紹介者の方を交えて、ポーランド在住の方々とオンラインでお話をすることになりました。聞くところによると、そのポーランド在住の方々はほぼ私と同世代のご夫婦、ということでした。彼らが私にとって、はじめてのポーランドの友人です。

初めて日本とポーランド、お互いの家からビデオ通話で話をしました。
お互いに、お互いの言葉がわからないので、拙い英語を介して話をし、時々紹介者の方の通訳の力を借りて笑、意思疎通しました。

ものすごく親切で素敵な方々です。直感ではきっと仲良くなれると思いました。

その日は、1時間半ほど、とりとめもない話をして、
「ワルシャワに行って、コロナが落ち着いたら、また会いましょうね〜」
と通話を終了したと思います。

偶然とお誘い

はじめてビデオ通話をした2日後、そのポーランド人ご夫婦から連絡がありました。

「話があるので、もう一度、ビデオ通話できないかな?」

2日前に話したばかりなので、何事かな?と思ったのですが、
電話を繋いでみると、彼らからこんなお話が。

「実は昨日、アパートのオーナーから話があってコロナウイルスの影響で、今のアパートから来月中には退去しないといけなくなった。とっても悲しい。けど思ったんだ。もしよかったら新しいアパートで一緒に住まない?家を探すよ。」

話を聞くと、私とのはじめての顔合わせの電話をした翌日に、オーナーさんから退去の話があり、彼らもとても驚いたのだそう。

彼らは、コロナウイルスによる感染症が流行り始めた頃からかなり警戒をしていて、ほとんど外出もせず、ただ毎日、家の中で同じ日々を過ごしていました。そんな毎日に、ストレスを感じていたそうなのです。

そんな中で、私がワルシャワに来ると知ったので、これは縁だと感じて、一緒に住まないかと連絡をくれたそう。きっと楽しくなると。

これは、なんか、すごいタイミングだなという感じがします。

彼らと初めて電話をした時、私は、訪日外国人向けのゲストハウスに住み込んでいました。そのため、ある程度、家族以外の人たちと一緒に生活を共にする経験値があります。

しかし、彼らには、誰かと一緒に住んだ経験がありません。ましてや、外国人であり、1度だけしか画面上で話したことのない私と一緒に住もうと考えてくださるなんて、ほんとうにすごいことだなと思います。

迷いも、もちろんありました

もちろんワルシャワに来るまでの間に、私にも少し迷いがありました。

もしかすると、私自身が勤務先のそばに住みたくなってしまうのではないか。うまくいかずに退去するとなれば、その分、ご夫婦にご迷惑をかけてしまうのではないか。

人間には相性もあると思っています。友人としては仲良くなれても、住むのは難しい…ということがあっても、なんらおかしくはないです。相性は存在します。

実際に会って仲良くなってからシェアハウスをするのでも遅くないはずですし、本当にどんな人間なのかお互いに知ってからじゃないと、うまくいかないのではないか。

そんな気持ちもよぎります。

一緒に住むかどうか、決断は急がなくてもいいんじゃない。知り合ってからでも遅くないよ、と助言をしてくださった方もいます。

ポーランドの彼ら自身に電話で話もしました。
私には不安があって、実際にお互いに会ってから決めた方がよいのではないか。もしかすると私が仕事に疲れ切って引っ越したいと言いだすかもしれないけど、大丈夫かな?と。

彼らは、それでも大丈夫、合わなかったらやめればいいだけの話だから、ワルシャワでひとまず一緒に住もうと言ってくださいました。

私は、伝えたいことはたくさんあれど、なにせ私の英語がそれほど流暢ではないので、伝えたいことのうち、どのくらい伝わっているかわからないまま笑、渡航を決めました。

相手の方々に大変、大変失礼な話ですが、もしも私がものすごく運が悪くて、事件や犯罪に巻き込まれたらどうしようかな、とまで想像しました。

人生何が起こるかわからないし、だからこそ面白いのだけど、「まさか!」と感じる事態は身近なところにあるものです。私が今、自分の人生を生きているのも、本当に偶然だと思うのです。

一緒に時間をすごして3日

ワルシャワについて、彼らと実際に会い、住み始めて今日で4日目です。

到着したその日に、彼らは私のために布団を新調して部屋を用意していてくださり、美味しい手作り料理を食べさせてくれました。私の買い物した食材が届くまでは、といって毎食つくってくださっています。とてもお料理が上手なんです。

2日目には、約9時間は一緒に話をしていたと思います。お互いの家族の話、人生の話、日本文化の話、自分が信じるものの話、政治の話、宗教の話…

センシティブな話もしながら、お互いをリスペクトして話ができて、まるでさも昔から知っている友人であるかのようです。本当に不思議です。

言葉がうまく通じない…部分もきっとこの先ありますが、
なんとなく、この共同生活は、うまくいきそうだと感じています。

彼らは日本にも興味をもってくださっており、3日目の夜には日本語のミニレッスンをして遊びました。二人とも楽しんでくださっているようでとっても嬉しかったです。私も彼らの言葉を少しずつ聞いては教えてもらっています。お互いにお互いの言語をExchengeできれば、本当に有意義です。

とりあえず、のんびり楽しんで共同生活をしてみたいと思います。

========================
編集後記
彼らに「日本語でブログを書いてるよ、今回は私たちの話」という話をすると、内容がきになる!とのことで、急遽、英語に訳して彼らにこのページの内容を音読することに笑。
すると、彼らも私と同じように、見ず知らずの人と共同生活をすることに不安を抱いていたそうで、よりお互いの理解が進んだ気がします。
やっぱり気持ちをきちんと伝えることって大事だし、話をすることって大事ですね。
========================