映画やドラマのエキストラを体験した話

わたしは映画やドラマが大好きです。
エンタメとしてみるだけでなく、その裏側が気になってしまい、
日本でドラマや映画のエキストラ出演をしたことがあります。

作品の詳細は控えますが、貴重な体験だったので
概要を書いていきます。

どんな作品にどんな役で出たの?

基本的には通行人です。
特別ドラマや映画、配信サービス作品などの作品で、
大勢が集まる場所に来た野次馬の中の1人や通行人を体験しました。
時代背景は作品によってそれぞれです。時代劇も1度、経験したことがあります。

どんな流れで撮影が進むの?

集合時間や場所が担当者の方からメールで送られてくることが多かったです。
撮影場所で集合することもあれば、集合場所から撮影場所までバスで移動することもあります。
詳細は現場によって違うと思いますし、担当者の方が説明してくださいます。

現場につくと、エキストラの待機場所(控え室)があり、
そこで撮影の時間になるまで待ちます。

作品によってはそこから衣装に着替えます。
時代背景が江戸時代など、現代とは違う時代の作品だと衣装合わせがあります。

着替えたあとは、撮影時間になり呼ばれるまで待ちます。
ひたすら、待ちます。笑

「エキストラの仕事は『待つこと』」

という人がいるくらい、待ちます。笑
私が経験した現場は、出番まで1時間程度、待ちました。

撮影の時間になるとスタッフの方に呼ばれ、指示に従って演じます。

ただ歩くだけのこともあれば、拍手したり笑ったり、
マイムをしたり、声を出したり….

作品によって指示も多種多様です。
驚いたのは、同じシーンをこれでもかというほど何回も撮ることです。

作品のつくりを考えれば当たり前なのですが、
リハーサルがあり、本番があり、
その本番もいろんな角度から撮った映像が必要な場合もあるので、
同じシーンを何回もやります。

1シーンの撮影に1時間以上かかることもあります。

あまりにエキストラの人数の多い作品だと、
何を撮影しているのかわからないこともあります。笑
人混みの中で、拍手しているだけ、
他の人が拍手したら、自分も拍手する…といったこともありました。

場合によっては監督さんや助監督さんから
『もっとこうしてください』と指示があります。

終了後はアナウンスにしたがって解散。
中には記念品をもらえる作品もあります。

江戸時代作品の衣装合わせ

衣装合わせがある作品では、スタッフさんの案内にしたがって衣装合わせをし、
小道具を受け取ります。

江戸時代を背景にした作品のエキストラでは、
きちんとメイクさんによるヘアセットまでありました。
”あの”江戸時代の髪型のかつらを身につけたのは、おもしろい体験でした。

びっくりなことに、あのかつら、前髪は地毛だったりします。
エキストラの条件に「髪が長く染めていない人」という指定があることがありますが、
それは、地毛を使ってかつらを自然に見せるためです。

エキストラであっても手が抜かれることはなく、
一人一人、着付けとヘアセットがあったのには驚きました。

私は、基本的に顔は映らない(うつってもめっちゃ小さい)作品を経験しましたが、
時代背景からメイクアップしているとおかしい作品は、すっぴんで撮影が進みます。笑
(メイクしてきた人は、「メイクを落としてください」と指示されていました。)

準備物は?

作品によっては、衣装をもってきてくださいと指示があることがあります。

『1960年ごろの服装でお願いします』
『水着をもってきてください』
『スーツできてください』

などなど…作品によって必ず指示があるので指示の通りに準備できれば問題ないかと思います。
アナウンスがない限りは、飲み物は持って行った方がいいかも…
現場によっては、軽食が出ることはあります。

場合によっては待ち時間が長いことがあるので、本を持っていくなど、
時間を気長に過ごせる準備があってもいいかもしれません。

エキストラの世界

エキストラの中にも、常連さんがいるようで
『前の現場でも一緒でしたよね』と話している方々がいたり、
お互いが知り合い、ということもよくあるようでした。

経験の多いベテランの方は、いろんな現場を知っており、
運良く会えれば、様々な現場の話を聞かせてくれたりします。
『こういう作品では、こんなことをした』
『この作品では大きくうつっていて…』…などなど
そんな話をお伺いするのもまた、面白かったです。

芸能人には会えるの?

作品にもよりますが、見られることもあります。
私も実際にどの撮影でも有名な方を拝見することができましたし、

指示された立ち位置によっては俳優さんが
触れられてしまうほどの距離(もちろん、触れてはいけません!)にいらっしゃることもありました。

ただし、じろじろ見たり話しかけたりするのは、ルール違反。
私が行った現場でも、皆さんできるだけ俳優さんの方は凝視しないようにして
静かに参加されているのが印象的でした。

映像には映れるの?

結論からいうと、作品によってまちまちです!笑
だいたい撮影した内容のうち半分以上は、カットされます。

運良く自分がうつっている映像が採用されても、
映画の中のほんの2秒だけだったり、ものすごーく小さかったりするので
撮影の場所を考えるとこの辺にいるはず…みたいな映り方をすることも多々。

作品によっては、自分がこれだと認識することができることもあります。

私が出会ったエキストラ界のベテランさんによると、
連続ドラマのエキストラは、しっかりと顔がうつることもあるそうです。

どうやったら、エキストラになれるの?

私が利用したのは、以下の2つです。

  1. 東京エキストラNOTE
    こちらのウェブサイトで募集情報が見られます。
    要項に従って応募します。
    人気キャストの作品は抽選が行われることも多いので、
    抽選になれば、当選した人だけが参加できることになります。
  2. フィルム・コミッション / フィルム・カウンシルに登録
    自治体(各都道府県や市町村など)が映画撮影の制作支援を行う団体を持っています。
    そこではメールマガジンでエキストラを募集していることがあります。
    こちらに登録をしておくと募集情報が届きます。
    (リンクは、全国のフィルムコミッション情報がまとまっているサイトです。)

ギャラは出るの?

完全にボランティアでした。
ただ作品によっては、記念品がいただけたり、
当日の軽食やお弁当がいただけることはあります。
現場によって大きく変わります。

同じ現場のエキストラの中には、
芸能事務所から来ていた人やスタッフさんからの依頼でエキストラをしている方がおり、
その方々にはお給料が出ていたようです(現場で自らお話されていたのでわかりました)
残念ながら、私はそれについては明るくありません。

上記でご紹介している方法は、ボランティアで参加できるものがメインです。
趣味でも体験してみたい方には、おすすめです。

※こちらの体験は、2016-17年ごろのものです。

まとめ

・エキストラは楽しい体験!
・ボランティアならそんなに難しくない!
・待ち時間が長いことがあるので、時間には余裕をもって。